笹の葉さらさら〜

夜空に輝く天の川のほとりに、天帝の娘で織女と呼ばれるすっごいきれいな天女が住んで居ました。
織女は、天を支配している父天帝の言いつけをよく守り、毎日機織りに精を出していました。
織女の織る布はなんかすごくて、五色に光り輝き、
季節の移り変わりと共に色どりを変える不思議な錦です。本当にあったらちょっと嫌…
天帝は娘の働きぶりに感心してたけど、年頃の娘なのに
お化粧一つせず、恋をする暇もない娘を不憫に思い、
天の川の西に住んでいる働き者の牽牛という牛飼いの青年と結婚させることにしました。
でも…結婚してからの織女は牽牛との暮しに夢中で毎日はしゃぎまわってばかり。
機織りを止めてしまったのです。
天帝も始めはこんな二人の様子を「新婚やし…」と大目にみていましたが、
いつまでもそんな有様が続くと眉をひそめざるを得ません。
天帝はすっかり腹を立ててしまい、2人の所へ出向くと、
「織女よ、はたを織ることが天職であることを忘れたんか？
再び天の川の岸辺に戻って機織しろや！」更に付け加えて...
「心を入れ替えて一生懸命仕事をするなら1年に1度、
7月7日の夜に牽牛と会ってもいいから！！」と言いました。

織女は牽牛と離れて暮すのがとても辛く涙にくれるばかりでしたが、父天帝に背く事もできず、
牽牛に別れを告げると、引きずられて天の川の東に帰って行きました。

それ以来、自分の行いを反省した織女は年に1度の牽牛との再会を励みに、以前のように機織りに精を出すようになりました。
牽牛も勿論思いは同じ、働いて働いて...7月7日を待ちました。
こうして、牽牛と織女は互いの仕事に励みながら、指折り数えて7月7日の夜を 待ち続けているそうです…

ちなみに…2人が待ち焦がれた7月7日に雨が降ると、
天の川の水かさが増して、織女は向こう岸に渡ることができなくなります。
川下に上弦の月がかかっていても、つれない月の舟人は織女を渡してはくれません。
2人は天の川の東と西の岸辺にたたずみ、
お互いに切ない思いを交しながら川面を眺めて涙を流すのでした。

7月7日に雨が降れば...そんな2人を見かね何処からともなく飛んできたかささぎの群を脅し、
天の川で翼と翼を広げて橋とさせ、牽牛のもとへ渡るんだそうです。